源内とは

源内とは、デジタル庁が内製した、政府共通の生成AI基盤の名称です。政府職員が機密性に配慮した安全な環境で生成AIを使えるようにする「ガバメントAI」構想の中核で、特定のAIモデルそのものではなく、職員みんなが安心してAIを使うための共通の作業環境と捉えるとわかりやすいでしょう。

英語表記:Government AI「GENAI」(デジタル庁公式の英語名)

源内でできること

源内には、対話型チャット・文章作成・要約・校正といった汎用機能に加えて、行政の実務に特化したアプリが載っています。法制度の調査を支援する「Lawsy(ロージー)」、国会答弁検索AI、公用文チェッカーAIなど、2025年8月時点で20種類以上が提供されています。法令や官報といった政府共通のデータセットを活用し、機密性の高い情報も扱えるよう設計されている点が、一般向けの生成AIサービスとの大きな違いです。

展開スケジュールと国産LLM

源内は2025年5月にデジタル庁職員向けに運用を開始し、2026年1月に試行版が一部省庁へ広がりました。2026年度末にかけて計画されているのが、全省庁の職員約18万人を対象にした大規模実証。2027年度以降には本格運用へ進む段取りです。あわせて2025年12月には国産の大規模言語モデル(国産LLM)の公募が始まり、2026年夏頃の試行導入が予定されています。機密を扱う行政だからこそ、性能だけでなく「データをどこで処理するか」を重視し、国内でAIをまかなう力(AI自給率)を高めようとしているのでしょう。

ビジネスへの示唆

政府専用の基盤の話が、民間の経営にも関係するのでしょうか。源内そのものは政府職員向けで、民間企業や一般の人が直接使うものではありません。それでも、約18万人規模の組織が生成AIを業務の標準装備にしていく過程は、企業の導入計画にとって生きた手本。共通基盤を1つ用意して全員に行き渡らせる進め方や、汎用チャットに実務特化アプリを足していく構成は、社内AI導入の設計図としてそのまま参考にできるはずです。

Topic名前の由来は「Gen AI」と江戸の発明家・平賀源内

「源内」という名前は、生成AIを意味する英語「Generative AI」の略「Gen AI」をそのまま日本語読みすると「ゲンナイ」になることから付けられました。デジタル庁はこれに加えて、エレキテルの復元などで知られる江戸時代の発明家・平賀源内の精神を生かして命名したと説明しています。語呂合わせと「新しい技術で時代を切り開く」という願いを重ねた、二重の意味を持つ名前なのです。

源内に関するよくある質問

源内は民間企業や一般の人も使えますか?
使えません。源内は政府職員向けの共通基盤です。ただし、約18万人規模の組織へ生成AIを行き渡らせる進め方は、企業の社内AI導入の手本として参考になりますし、行政手続きの効率化という形で間接的な影響は誰にでも及びます。
ChatGPTのような一般の生成AIと何が違うのですか?
大きな違いは「何を扱えるか」です。源内は機密性の高い行政情報も扱えるよう政府が管理する環境で動き、法令や官報といった政府共通データセットを活用した行政特化アプリを備えています。一般向けサービスをそのまま業務に使う場合の情報管理の不安を、基盤ごと設計して解消した形です。
市役所や県庁の窓口でも源内が使われるようになりますか?
いまの公式計画で示されているのは、国の府省庁への展開です。都道府県や市区町村は対象として示されておらず、自治体では別途、それぞれが独自に生成AIの導入を進めている段階です。国の共通基盤の運用ルールや使い勝手は、自治体や民間が自分たちの仕組みを設計するときの参照例になっていくとみられます。

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