ISO/IEC 5338とは
ISO/IEC 5338とは、AIシステムの企画から運用、改善、廃止までの「一生」を、どんな工程に分けて進めるかを定めた国際規格です。2023年に発行されました。AIの開発や運用を、場当たりでなく決まった工程に沿って管理するための物差しになります。
英語表記:Information technology – Artificial intelligence – AI system life cycle processes
AIの「一生」を工程に分ける
この規格は、AIシステムを企画・開発・運用・改善・廃止といった段階に分け、それぞれで何をすべきかを工程として整理しています。とくにAIならではの工程として、学習に使うデータの取得や管理、運用が始まった後の継続的な学習や監視が組み込まれている点が特徴です。AIは作って終わりではなく、使いながら育て、見守り続ける必要がある。その流れを工程の形で示したものといえます。
従来のシステム開発を土台にしている
ゼロから作られた規格ではありません。土台になっているのは、システムやソフトウェアの開発工程として長く使われてきた定番規格です。そこにAI特有の工程を足したのがISO/IEC 5338にあたります。AIの開発も、根っこは従来のシステム開発と地続きだと分かる構成です。経営の現場では、AIを外注・運用するときの工程の共通言語として、進み具合や抜け漏れを確認する物差しに使えるでしょう。
Topicソフトウェアの工程表に、AIの工程を足し算した規格
ISO/IEC 5338は、まったく新しい発明ではありません。システム開発とソフトウェア開発で世界的に使われてきたライフサイクル規格を下敷きにし、そこへデータの取り扱いや継続的な学習・監視といったAI固有の工程を加えて作られています。新しい技術であっても、進め方の骨組みは従来のものづくりと変わらない。そう気づかせてくれる規格でもあるのです。
ISO/IEC 5338に関するよくある質問
- ISO/IEC 5338は認証を取得できる規格ですか?
- いいえ。AIの工程を定義し参照するための枠組みであり、認証を取得する規格ではありません。開発や運用の工程をそろえる物差しとして使います。
- どんな場面で使う規格ですか?
- AIシステムを開発・調達・運用する組織が、企画から運用・改善までの工程を共通の物差しで管理するときに使います。外注先との工程の認識合わせにも役立ちます。