群知能とは
群知能とは、一匹ずつは単純な多数の個体(アリや鳥など)が、互いにやりとりしながら、全体として賢い振る舞いを生み出す仕組みのことです。リーダーや指揮官がいなくても、簡単なルールに従う個体が集まるだけで、群れ全体がまるで知能を持つかのように動く。この「創発」と呼ばれる現象が核にあります。アリの行列に着想を得た蟻コロニー最適化などは、群知能の代表的な応用です。
指揮官がいないのに、賢く動く
群知能の面白さは、誰も全体を管理していないのに、結果として秩序だった賢い動きが生まれる点にあります。たとえば鳥の群れは「近づきすぎない」「仲間と向きをそろえる」「群れの中心へ寄る」といったごく単純なルールを各自が守るだけで、あの見事な編隊飛行を作り出します。中央の司令塔は一羽もいないのがミソ。この発想はAIにも応用され、多数の小さなプログラム(エージェント)を協調させて難問を解く手法として研究されています。一匹の天才より、凡庸な多数の協調、というわけでしょうか。
Topicハリウッドの群衆も、群知能で動いている
鳥や魚の群れを再現する有名なプログラムに、1986年にクレイグ・レイノルズが作った「ボイド(Boids)」があります。「ぶつからない」「向きをそろえる」「集まる」という3つのルールだけで、本物そっくりの群れの動きが生まれるのです。この技術は映画でも活躍し、『バットマン・リターンズ』(1992年)のコウモリの大群やペンギンの行進の表現に使われました。私たちが映画で見た群れの迫力の裏にも、群知能の考え方が潜んでいたわけですね。
関連用語
群知能に関するよくある質問
- 群知能と蟻コロニー最適化は何が違いますか?
- 群知能は「多数の単純な個体の協調から賢さが生まれる」という考え方全体を指し、蟻コロニー最適化はその考え方を使った具体的なアルゴリズムの一つです。群知能が大きな枠で、蟻コロニー最適化はその中の代表例にあたります。
- 群知能は、ビジネスやAIでどう役立ちますか?
- 配送ルートの最適化や通信ネットワークの経路決定、ドローンの群れの制御などに応用されています。一台の高性能な頭脳に頼らず、多数の簡単な単位を協調させて柔軟に問題を解く設計が向く場面で使われます。