AI契約書レビュー(えーあいけいやくしょれびゅー)とは
AI契約書レビューとは、契約書の内容をAIが点検し、自社に不利な条項や抜け漏れ、リスクのある表現を見つけて指摘する仕組みのことです。法務担当者が一字一句読み込んでいた一次チェックを、下書きのようにAIが肩代わりします。見落としを減らし、確認の時間を短くする狙いで使われるカテゴリです。
AI契約書レビューの仕組み
AIは契約書を読み込み、あらかじめ登録した自社の基準(プレイブックと呼ばれる審査ルール)や過去の契約と照らし合わせます。そのうえで、リスクのある条項、入れておくべきなのに抜けている条項、直したほうがよい表現などを一つひとつ洗い出す。担当者は、AIが付けた指摘を起点に確認を進められます。ゼロから読むより、負担はぐっと軽くなるでしょう。法務の「一次チェック係」として働くイメージです。
できること・できないこと
得意なのは、形が決まっている定型的な契約です。秘密保持契約(NDA)のように論点がある程度パターン化されたものは、力を発揮しやすい分野でしょう。いっぽう、前例の少ない複雑な契約や、交渉の機微がからむ場面では、人の弁護士の判断が欠かせません。AIはあくまで下調べ役で、責任ある最終判断を置き換えるものではない。そう捉えておくのが安全です。
Topic弁護士20人とAIが、契約レビューで対決した話
契約書レビューのAIが注目を集めたのは、2018年に公表されたある検証実験でした。経験豊富な企業法務の弁護士20人とAIが、秘密保持契約のリスクをどれだけ正しく見つけられるかを競ったところ、AIの正解率は約94%、弁護士は平均約85%。しかも所要時間は、弁護士が平均92分かかったのに対し、AIはおよそ26秒だったと報告されています。ただしこれは論点が定型的なNDAでの結果で、あらゆる契約でAIが勝るという話ではありません。ChatGPTが広まる前の、契約に特化したAIで出た成果という点も押さえておきたいところです。
AI契約書レビューに関するよくある質問
- AI契約書レビューを入れると、弁護士のチェックは要らなくなりますか?
- 要らなくなるわけではありません。AIが担うのは効率的な一次チェックで、重要な契約や交渉の判断は引き続き人の弁護士が担います。役割を分担して、専門家の時間を要所に集中させる使い方が現実的です。
- 契約書のような機密情報をAIに読ませても安全ですか?
- 扱うデータの保管場所や学習への利用範囲を、導入前に必ず確認しておきたい点です。社外秘の契約を含むため、自社データを学習に使わない設定や、アクセス権限の管理ができるかを見極めると安心です。
- どんな契約で導入効果が出やすいですか?
- 同じ型の契約を数多く扱う場面で効果が出やすいです。取引基本契約や秘密保持契約など、論点が繰り返し現れる書類ほど、自社ルールとの照合が活きてきます。