適正性確保指針とは
適正性確保指針とは、日本がAIを適正に開発・提供・利用するための取組の基本的な考え方を示した、国の指針です。2025年に成立したAI推進法(AI法)に基づき、内閣府の人工知能戦略本部が2025年12月19日に決定しました。
正式名称:人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針(内閣府 人工知能戦略本部)
誰に向けた、何のための指針か
対象は、事業活動の中でAIの開発・提供・利用を担うすべての人です。研究開発から実際の活用まで、関わる立場ごとに「どう適正に取り組むか」の基本的な考え方を示します。罰則で縛るというより、関係者が自主的に適正な取組を進められるよう道筋を示すもの、という性格が強いです。
EUのAI規制とは性格が違う
同じ「AIのルール」でも、EUのAI規制(EU AI法)とは色合いが異なります。EUは違反に罰則を伴う規制であるのに対し、日本のこの指針は適正な利活用を促す枠組みが中心。まず理念や考え方を共有し、現場の取組を後押しする日本流のアプローチといえるでしょう。
経営者が押さえるべきこと
AIを業務に使う企業にとって、この指針は「日本ではどんな姿勢でAIに向き合うべきか」の土台になります。経産省・総務省が出す「AI事業者ガイドライン」とは別系統で、こちらは法律に基づく国の指針という位置づけ。自社のAI活用方針を整えるとき、国がどんな適正性を期待しているかを知る出発点になります。
Topic首相をトップに新設された「AI戦略本部」が決めた
この指針を決めたのは、2025年9月にAI推進法のもとで新設された「人工知能戦略本部」です。内閣総理大臣を本部長とし、全閣僚が参加するAI政策の司令塔。発足から数えて3回目の会合(2025年12月19日)で、この指針が決まりました。日本がAI政策を国家ぐるみで動かし始めたことがうかがえます。
適正性確保指針に関するよくある質問
- いつ決まり、いつから関係してくるのですか?
- 2025年12月19日に人工知能戦略本部で決定されました。根拠となるAI推進法は2025年9月1日に全面施行されており、指針はその枠組みのもとで適正なAI活用を促しています。
- 中小企業や、AIを使うだけの会社も対象ですか?
- 対象になります。事業でAIの開発・提供・利用のいずれかを担うすべての主体が対象で、規模は問いません。自社開発をしていなくても、業務でAIを使うなら考え方を押さえておく価値があります。
- 海外向けに事業をする場合、この指針だけで足りますか?
- これは日本国内向けの指針です。EU市場などで事業を行うなら、罰則を伴う現地のルールに別途対応する必要があります。グローバル展開する企業は、日本の指針と各地域の規制を併せて確認すると安全です。