カスタマーデータプラットフォームとは
カスタマーデータプラットフォームとは、社内のあちこちに散らばった顧客データを1か所に集めて統合し、顧客一人ひとりの全体像を作るソフトの基盤です。Webサイト・アプリ・店舗・会員情報など、別々に貯まっていた情報をつなぎ合わせ、「この人はどんな顧客か」を一つの像として見えるようにする役割を担います。
英語表記:Customer Data Platform(略称CDP)
CRMやDMPと、どう違うのか
名前が似た仕組みと混同しやすいので整理しましょう。CRMは、営業や問い合わせのやりとりを記録・管理するのが中心です。DMPは、外部から集めた匿名のデータを使い、主に広告のターゲティングに使います。これに対してCDPは、自社が集めた実名の顧客データを、複数の接点からまとめて一人ひとりの像にする点が持ち味です。つまりDMPが「知らない人を広告で狙う」道具なら、CDPは「すでに関係のある顧客を深く知る」道具だと考えると分かりやすいでしょう。
経営の現場でどう役立つか
多くの会社では、同じ顧客の情報が部署やシステムごとにバラバラに持たれています。ECの購買履歴は通販部門、来店履歴は店舗、問い合わせはサポート、というように分断されがちです。CDPはこれを束ね、「この顧客に、次に何を届けるべきか」を会社全体で同じ目線で考えられるようにします。とくに自社で集めたファーストパーティデータを活かす土台として相性がよく、一人ひとりに合った提案やメール配信につなげやすくなるはずです。
Topic「CDP」はアナリスト一人が名付けた言葉
この言葉が生まれたのは2013年。マーケティング分野のアナリスト、デイヴィッド・ラーブ氏が「あらゆるデータを集めて、消えない統一顧客像を作る仕組みが要る」と提唱し、みずから業界団体(CDP Institute)まで立ち上げて定義を整え、広めていきました。新しいツールのジャンルが、製品より先に一人のアナリストの言葉から立ち上がったという珍しい成り立ちです。それだけ「顧客データがバラバラで困る」という悩みが、多くの企業に共通していたということなのでしょう。
カスタマーデータプラットフォームに関するよくある質問
- CDPを導入すれば顧客データの課題はすべて解決しますか?
- 万能の道具ではありません。CDPはデータを束ねる基盤であって、何を集めてどう使うかの設計と運用がそろって初めて効果が出ます。入れただけで活用されずに終わる例も少なくありません。
- 中小企業にもCDPは必要ですか?
- 顧客接点やデータの種類が少ないうちは、既存のCRMや表計算で足りることもあります。Web・アプリ・店舗など接点が増え、顧客の姿が部署ごとにバラバラになってきた段階で検討する価値が高まります。
- CDPの導入で気をつけることは何ですか?
- データ取得の同意を得ること、部署をまたいで使えるよう運用ルールを決めること、そして集めて終わりにせず実際の施策につなげることです。目的のない導入は形だけで終わりがちです。