内視鏡AIとは

内視鏡AIとは、内視鏡の画像や映像を解析し、病変の候補を見つけたり、性状を見分けたりする医師の作業を支えるソフトウェアです。AIの表示は確定診断ではなく、医師が注意して見る場所や判断材料を増やす支援と捉えます。

映像を見ながら病変候補を知らせる

検査中の映像や撮影画像をAIが解析し、病変らしい部分を枠や音で知らせる仕組みです。小さな変化を見つける検出支援に加え、病変の種類や深さなどを見分ける質的診断を支援する方式もあります。

ただし、対象となる臓器、病変、対応する内視鏡、利用できる場面は製品ごと。「内視鏡AI対応」という一言だけで比較せず、承認された使用目的と組み合わせを確認することが欠かせません。

内視鏡AIはヘルスケアAIの一用途で、製品によってはAI医療機器として扱われます。病理AIが採取後の組織などを扱うのに対し、内視鏡AIは検査中の映像や撮影画像が中心。AI問診AI電子カルテとも、支援する場面が異なります。

検出支援と診断支援は役割が異なる

病変候補を見つける検出支援は「どこを見るか」を知らせ、見つけた病変の質的診断支援は「何に見えるか」の判断材料を示します。似ていても役割が異なる二つの機能です。

どちらにも、誤って候補を出す場合と病変を見逃す場合があります。医師はAI表示だけに頼らず、画像全体、患者の情報、必要に応じた病理検査などを合わせて判断します。AIが表示しなかったことを、病変がない証明にするのは禁物です。

導入時は性能値と運用の両方を確かめる

導入前には、自院で多い検査や機器との適合、候補表示の多さ、見落とし、検査時間への影響を試します。障害時に通常の検査へ戻れる手順、ソフトウェア更新後の確認、操作ログ、担当者の教育までが運用範囲です。

承認された使用目的、対象臓器、対応機器、禁忌(使ってはいけない条件)、更新条件、問題発生時の連絡先を製品単位で一覧にしましょう。2026年8月時点の制度上の位置づけや臨床使用上の注意は、PMDAと日本消化器内視鏡学会の公式情報で確認できます。

TopicCADeとCADxは末尾一文字で仕事が変わる

日本消化器内視鏡学会の用語では、CADeは病変を見つける検出支援、CADxは病変の性質を見分ける質的診断支援です。表記は末尾の「e」と「x」が違うだけですが、導入目的は別物。製品比較ではAIの有無より、どちらの仕事を支えるのかを先に揃えると混同を防げます。

内視鏡AIに関するよくある質問

内視鏡AIの候補表示は多いほど安全ですか?
候補が多すぎると確認作業が増えるため、数だけでは評価できません。自院で多い検査を使い、見逃しだけでなく誤った候補表示と検査時間も一緒に確かめます。
内視鏡AIが停止した場合も検査を続けられますか?
AIを使わない通常の検査へ安全に戻れる手順を、導入前に決めておく必要があります。障害時の表示、院内の連絡先、メーカーへの連絡方法も訓練します。
内視鏡AIを更新した後に再確認が必要なのはなぜですか?
ソフトウェアや対応機器の変更で、表示や運用が変わる可能性があるためです。更新内容と適用日を記録し、代表的な検査で動作と通常手順への復帰を確かめます。

あわせて読みたい記事