ディープフェイク詐欺とは
ディープフェイク詐欺とは、AIで作った偽の顔、映像、音声などを使い、実在する人物になりすまして金銭や認証情報をだまし取る行為です。経営者や取引先の顔と声が自然でも、本人確認を終えないことが企業防衛の出発点です。国内外の公的機関も、企業を狙う手口として注意を呼びかけています。
映像会議や音声指示を信用させる材料にする
手口は、経営者を装った送金指示、取引先を装った振込先変更、家族を装った緊急連絡などです。偽の動画だけで完結するとは限りません。先に盗んだメールや公開情報と組み合わせ、普段の言い回しや案件名まで合わせて信用させる場合があります。
FBIは、AIが企業幹部らしい文面を作り、ボイスクローンが送金依頼に使われる危険を報告しました。警察庁も、ディープフェイクなどAIを悪用した詐欺を顕在化した問題として扱っています。見た目の違和感を探すだけでは、業務手順として十分ではありません。
別経路確認を送金手順へ組み込む
送金先変更、緊急性、秘密保持が重なる依頼は高リスクとして扱います。既知の電話番号への折り返し、社内チャット、合言葉、複数人承認など、依頼が届いた経路とは別の方法で本人を確かめてください。少額だからと承認を省くと、成功確認の後に金額を増やされる恐れがあります。
被害が疑われたら、送金先、時刻、URL、映像、音声、メッセージを保存し、金融機関と警察へ早く連絡します。社内演習では偽物を見抜けたかより、別経路確認と停止手順を実行できたかを測りましょう。
Topic「本人らしい声」を認証方法から外す
偽音声が不自然だった時代は、声の違和感が警報になりました。ところが生成品質が上がるほど、本人らしさと本人であることは一致しません。見破る能力を全員に求めるより、登録済み番号への折り返しなど、偽造された映像や音声とは別の証拠で確かめる方が再現性のある対策です。
ディープフェイク詐欺に関するよくある質問
- ディープフェイク詐欺は経営者の顔や声だけを悪用しますか?
- 家族、取引先、採用候補者、公的機関など、信頼される人物や組織のなりすましにも使われます。役職者だけに限定しない社内演習が必要です。
- 少額の送金依頼なら承認を省いてもよいですか?
- 省かない方が安全です。攻撃者が最初の少額送金で手順と反応を確かめ、次に金額を増やす可能性があります。
- ディープフェイク対策の社内演習には誰が参加しますか?
- 経営層、経理、営業、採用、IT・セキュリティなど、送金や本人確認を扱う部門が参加します。部門をまたぐ連絡経路も演習対象です。