Affected Person (AI Act)とは
Affected Person (AI Act)とは、EU AI Actで、AIシステムの利用やAI出力にもとづく判断から不利益を受けうる人を指す、権利保護側の呼び方です。2026年6月時点では、Article 86の説明を受ける権利などで登場します。
英語表記:affected person
利用者ではなく影響を受ける側
Affected Personは、AIを操作する人とは限りません。採用、与信、教育、医療、行政手続きなどで、AI出力を使った判断の影響を受ける人が中心です。たとえばデプロイヤーがAIを使って判断し、その結果が本人の健康、安全、基本権に不利な影響を与える場合、説明を求める権利の文脈が出てきます。
経営者にとっては、顧客や従業員を「データの対象」とだけ見ないことが重要です。AIガバナンスでは、誰がAIを使うかだけでなく、誰がAI判断の影響を受けるかを整理する必要があります。これを抜かすと、問い合わせ対応、苦情対応、説明責任の設計が後手に回るでしょう。
説明を求められる場面がある
Article 86は、高リスクAIシステムの出力にもとづく個別判断について、一定の対象者がデプロイヤーから分かりやすい説明を受けられると定める条文です。AIが判断にどう関わったのかを説明できる状態は、システム導入後の顧客対応にも直結するでしょう。
TopicAIリテラシーは作る側だけの話ではない
EU AI Actが定める「AIリテラシー(AI literacy=AIを正しく理解し使いこなす力)」の対象には、AIを提供する事業者(providers)や使う事業者(deployers)だけでなく、影響を受ける人も含まれる点が特徴です。AIを作る人、使う人だけでなく、AI判断の影響を受ける側にも、AIがどう関わるかを理解する視点が求められる設計です。
Affected Person (AI Act)に関するよくある質問
- 本人がAIを触っていない場合も対象者になりますか?
- なり得ます。本人が操作していなくても、AI出力を使った判断で不利益を受けるなら、説明や苦情対応の対象として見ておくべきです。
- 問い合わせ窓口では何を説明できる状態にしますか?
- AIが判断のどこに使われたか、最終判断者は誰か、見直しを求める先はどこかを説明できる状態にします。技術説明だけでなく、手続の説明が欠かせません。