デジタルガバナンス・コードとは

デジタルガバナンス・コードとは、企業がDXを進めて価値を高めるために、経営者が取り組むべき事柄をまとめた指針です。経済産業省が策定しました。注意したいのは、これが現場のIT担当者ではなく「経営者」に向けて書かれている点。DXは技術の話に見えて、実は経営の意思決定そのものだ、というメッセージが込められています。罰則のある法律ではなく、企業が自ら手本にする行動の手引きと捉えると分かりやすいでしょう。

最新版(3.0)が示す中身

この指針は改訂を重ねており、2024年9月に「3.0」が示されました。副題は「DX経営による企業価値向上に向けて」。経営者に伝わりやすいよう、DX経営に求められる「3つの視点」と「5つの柱」に整理し直されています。たとえば、経営ビジョンとDX戦略を結びつける、理想と現実の差を数字でつかむ、変革を企業文化として根づかせる、といった観点です。道具を入れることより、経営として何をどう変えるかに重心が置かれているのが特徴でしょう。

DX認定との関係

このコードは、国のDX認定制度とセットで理解すると腑に落ちます。DX認定は、このデジタルガバナンス・コードの基本的な事項に対応できている企業を、国が認定する仕組みだからです。つまりコードが「目指すべき姿を示す物差し」で、認定が「その物差しに届いたと国が認める制度」。両者は別々のものではなく、指針と認定という表裏の関係にあります。認定を取りたいなら、まずこのコードが何を求めているかを読み解くのが近道といえるでしょう。

経営者にとっての意味

経営の視点では、自社のDXが「やっているつもり」で止まっていないかを点検するチェックリストとして使えます。ツールを導入しただけで満足していないか。戦略と現場がつながっているか。成果を数字で追えているか。コードの問いに自社を当てはめると、抜けている観点が見えてきます。法律ではないため従う義務はありません。それでも、国が考える「DX経営の見取り図」として参照する価値は十分にあるのではないでしょうか。

Topic「コード」は法律ではなく、企業が自ら守る行動規範

名前にある「コード」とは、法律のように強制されるものではなく、企業が自主的に守る行動規範のことです。上場企業の世界には、以前から「コーポレートガバナンス・コード」という経営の規範がありました。デジタルガバナンス・コードは、いわばそのDX版。罰則で縛るのではなく、望ましい姿を示して企業の自発的な行動を促す。こうした手法は「ソフトロー」と呼ばれ、変化の速い分野で広く使われる考え方でもあります。

デジタルガバナンス・コードに関するよくある質問

上場企業だけが対象の指針ですか?
上場企業に限りません。企業規模や上場の有無を問わず、DXに取り組むすべての企業に向けた指針です。中小企業が自社のDXの方向性を点検する手がかりとしても使えます。
最新版はどれですか。古い版のままでもよいのでしょうか?
現行は2024年9月に示された3.0です。経営者に伝わりやすいよう内容が整理し直されているため、これから参照するなら最新の3.0を見るのが安心です。旧版で覚えている方は、構成が変わっている点に注意してください。
この指針に従わないと罰則はありますか?
罰則はありません。従う義務もない自主的な指針です。ただし国の「DX認定」を取得したい場合は、このコードの基本的な事項に対応していることが前提になるため、認定をねらう企業にとっては実質的な目安になります。

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